九回裏アストロの攻撃。二死満塁――。
球五、本当なら復帰後2打席目のはずだが、そこは時間の都合上。
それでも2打席分の彼がミックスされ、このドラマの総放映時間からすれば長い留守の分、幕引きの舞台はちゃんと用意された。
力が入ると、何だかいつも「バム打法!!」な君の芝居、最後は愛おしささえおぼえるわ(笑)
球五は大門によって負わされた傷が開き、一方球四郎も体力的な限界が見え始める。
人々の見守る中、球四郎は、自らの築き上げてきたものの存亡を賭けて、去っていった仲間たちに祈りながら渾身の一投。
球五もまた、この打席に一命を捧げても悔いはないと言いきり、打って出る。
が、バットはハーフスイングで止まった。
原作は傷に痛みが走り、結果ハーフスイングになるのだが、ドラマは途中で球を見切って止めたように思える。このへん、球五が「一命を捧げても悔いなし」と熱く言ってのける反面、選手として土壇場での冷静さや確かな選球眼を持っているという演出か。
判定がでるまでの束の間、球五の表情が「…ボールだと思ったけど、だ、ダイジョブだよな?!(ドキドキ)」ってかんじに見えました。かぁいいっす。
判定は、ボール。フォアボール押出しでゲームセット。
まるで親のように喜んでいる長島さんが印象的です(笑)
押出しと言えど、勝利は勝利。ホームに集まり喜び合うアストロ・メンバーの向こう、マウンドに崩れた球四郎は、搾り出すように叫び血の涙を流す。
よろめきながら去ろうとする球四郎の前に球七が立ちふさがる。
「負けて、ハイさよならはねえだろう?!約束どおり俺たちと一緒…」
「よせ、球七!仲間の弔いも済まねえうちから、その話は酷だぜ。
球四郎、俺たちはお前が自ら入団してくるのをいつでも待ってるぞ!」
そう言葉を投げる球一に、球四郎は振り返らない。
このあと原作だと、いきなりベンチで腹掻っ捌こうとするのだが、そういう真似はたった一人のほうが覚悟度も上がるってもの。
今まさに備前長船の切っ先を腹に突き立てんというところを、見知らぬ男が止める。
「おまんは?!」
「火野球九郎…。それともアストロナインと名乗るべきかな?」
…あっら〜…良い声だわ。
ちょっと「ヒ」と「シ」が上手く発音できないようだけど、どこの組の若いモンかってなりだけど(笑)
去っていった戦士たちの名を彫ったバットを突きつけ、生きてこの状況から這い上がれと真正面から切りこむ。彼は、この後の球四郎を見届ける役割を引き受けるわけなんだけど、しかし、これだけじゃ勿体無いわね、この声。
ビクトリー戦は終った。
しかしアストロ球団は、プロ参入不認可となる。
困難な状況の中、球四郎も、球九郎の計らいで皆に引き合わされ、入団を決意。
不認可になった球団の行く末を思い巡らすシュウロの前に、9人が揃った。
メンバーが揃っても夢を叶えてやれないことを詫びるシュウロに、それぞれが語る言葉は、ビクトリー戦の前にシュウロからかけられた言葉に応え、試練をとおしてこの場に集うことになった者たちの心を表すものだ。
「らしくねえじゃねえか大将!困難は覚悟の上。なぁ、みんな!」
「どんな苦しい状況でも、諦めない心」
「逃げずに、真正面から立ち向かう勇気」
「仲間を信じ、己の命を預ける」
「たゆまぬ努力が、明日への勝利へとつながる」
「ひとつのボールにつながれた、野球を愛する思い」
「心が折れそうになったときは、アストロ・ガッツと唱えるさ!」
「男なら、グラウンドで死ぬのは本望」
「一蓮托生、最後までお伴しますよ!」いやぁ、ドラマって最後まで付き合うもんですね…。
「ありがとうございました!」は、ラストを知ってたもんでグッときました…。
球団認可はされなかったが、約束どおり巨人軍との試合は多摩川グラウンドで行われる。
だが、球一が1球目を投げた直後、グラウンドに眩い光が走り、アストロ超人たちは忽然と消え去るのだった。
噂に聞いていた限りではドロンと消えるのかと思ってたけど、キレイな画。
マウンドに残された「一試合完全燃焼ボール」を手に、シュウロの大将、空を見上げ「そうか…そうか…」と何かを理解したらしいが、ここで私の脳みそは完全ストップ…(泣)
さまざまな解釈があると思う。
しかし何にせよ、彼らは「30年早過ぎた」と言われ存在を否定された。そこに「我々は新天地を求めて旅立ちます」と川上に言った球五の言葉が、ふと重なる。
原作では、プロ野球界を追われてもなお貪欲に生きる場を探し、文字どおり旅に出る彼らを描いてラストなのだが、30年前にも早過ぎ、未だ”彼らのように”は存在しない『超人』をどう描くかに、ドラマの作り手が出した答えなのですよね、これが。
私は、今時の日本のプロ野球の状況に疎い。ニュースのスポーツコーナーで報道される範囲がせいぜいだ。
もう少し明るい方がみれば、30数年後の野球世界統一戦開催の新聞記事や、老いて余命幾許もないシュウロの「アストロ・ナインが何処へ消えたのか、それは神のみぞ知ることでしょう。しかしアストロの魂は永遠に受け継がれるのです。古田さん、あなたも熱き魂を持つ超人のひとりなのです。忘れないでほしい」というセリフと絡め、収まりどころがあるのかもしれないが。
小ネタつついて遊んでた人間には、最後に「一試合完全燃焼」ボールを差し出しながら
「監督、これ何ですか?」
と子供が言う場面とともに、難しいこと丸投げすんなよっつうかんじ(<おいおい)。
『超人』とは何なのか、少年の問いかけは彼の知らない世界についてなのか、「一試合完全燃焼」の意味なのか――。
このへんは他の方々にお任せして、いちブログ読者になりきろうと思います(逃走)
さて、唄子おばあちゃんの「今この時代にあの子たちがいればねえ…」に思わず泣いてしまい、ホロリときたまま終れるかと思ったら、やっぱりぶち壊してくれるか、この番組はっ!
野球を愛するものたちよ、決して忘れることなかれ…
一試合完全燃焼
ときたところへ
、あのズズーンってせり上がってくるボールは…何…?画面揺れてるしよぉ…。
モンティ・パイソンかと思って爆笑しちゃったじゃないですか。でっかい足がブギュッって球一を踏み潰すのが見えましたよ。
勘弁してよね。まったく、もう…(泣笑)